排出権取引とは
著者:吉田麻友美(㈱日本スマートエナジー取締役社長)     更新日:2009.05.12
排出権とは

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などを排出する権利のこと。

京都メカニズムの概要

1997年の地球温暖化防止会議で採択された京都議定書では、CO2をはじめとする六種類の温室効果ガスについて、2008~12年の間に、先進国全体で1990年比5.2パーセントの削減を定めており、議定書の発効には、(1)55カ国以上の批准と、(2)先進国(正確には付属書1国)のCO2排出量が90年時排出量総量の55パーセント以上を占めること、という2点をクリアすることが必要とされております。(1)は、すでに条件を満たしており、(2)については、2003年3月25日の時点で、43.9パーセント。残り11.1パーセント分を、新たな批准国によって埋める必要があります。米国の批准はほぼ絶望的ですが、ロシアが批准することで55パーセントをクリアします。2004年に、ロシア連邦が批准したことにより、2005年2月16日に発効されました。

この京都議定書には、各国の削減目標値が決められていて、日本の場合ですと、90年比で6パーセントの削減をしなければなりません。しかし現実的には、批准国のすべてが、国内だけでこの数値を達成するのは非常に困難です。そこで、国内の削減対策を補完する「柔軟性措置」として、市場原理を活用した排出権取引の制度が、京都議定書に盛り込まれました。これが「京都メカニズム」と呼ばれるものです。

京都メカニズムには、主として、「共同実施」「クリーン開発メカニズム」「排出量取引」「吸収源活動」という4つのしくみがあります。その概要を以下にまとめておきます。

共同実施=先進国で共同して省エネプロジェクトなどを実施し、そこで得られた温室効果ガスの削減量を取引するしくみ。

クリーン開発メカニズム=先進国と途上国と共同してプロジェクトを実施し、そこで得られた温室効果ガスの削減量を先進国に移転するしくみ。

排出量取引=各国が排出量の削減目標を達成するため、先進国間で排出枠を売買するしくみ。

吸収源活動=先進国で植林などの活動により、CO2を吸収するプロジェクト。